和食伝承師®︎
校長 上神田 梅雄インタビュー

調理師が責任を持って
育てることが大切である

「単に労働力としてだけ求人してくる職場ではなく、育ててくれると信頼出来る料理長の手に託す。」
生徒の未来を思いやった言葉を掲げ、一人ひとりに真摯に向き合う姿が印象的な卒業生校長の上神田梅雄。
学僕として学んだ自身の学生時代を振り返りつつ、調理師そして母校校長としての想いを綴ります。

調理師という仕事とは

音楽、映画やテレビなどの映像、スポーツ…。世の中には楽しいことがたくさんあります。それらは私たちの心を満たしてくれます。
しかし、お腹と心の両方を同時に満たしてくれるのは食事だけです。この素晴らしい食に関わることができるのが調理師であり、まさに「食卓に笑顔を咲かせる仕事」なのです。
この役目を担っていることに誇りを持ちながら、目の前の大切な人に喜んでもらう、美味しい料理を仕立てることに全力を注いで欲しいと思います。

新宿調理師専門学校時代 /
学僕生として

私自身は、学僕生制度を利用して入学しました。昼は先生方の実習授業のお手伝いをして、夜、夜間部の生徒として学ぶ制度です。
掃除や後片付けを率先して行っていると、先生が褒めてくれ、労ってくれます。褒められると嬉しく、さらにやる気が高まっていいことだらけでした。 だからさらに「褒められる自分になろう」と考えました。

和洋中を学ぶ意味

本校に入学してくる生徒は、和洋中全ての料理を学びます。 その過程で各料理に興味を抱き、自分の目指す料理の分野を見つけて欲しいと思っています。
また、全てを学ぶことで各料理の “違い”と“共通点”を感じることができます。和洋中の“違い”は、提供の仕方の違い、食器の違い、盛り付け方の違いなど。 そして“共通点”とは、調理に関する基礎と、衛生や栄養、さらに、おもてなしの心を持って調理する姿勢の大切さです。

悩んだとき

夢を追いかける過程で出会う一つの壁があります。それは
「こんなに頑張っているのに認めてもらえない、自分だけが割の合わない辛い思いをしている」というスランプです。
「褒められる自分を作ろう」と思った私でも、同じように苦悩しました。 そして、スランプを抜け出すため、本を読んだり、人の言葉に耳を傾けるようになりました。 謙虚さ、素直さ、感謝する心の大切さを改めて実感し、「人として一人前にならなければ一流の調理師にはなれない」と考えるようになりました。

母校とは

社会に出ると、職場に慣れる時間が必要ですし、覚えることも多く大変だと感じることもあるかもしれません。 当時の私もそうで、就職先の休日には母校を訪ねて先生と話しをしたり、授業を聴講したこともあります。 そして「また頑張ろう!」と思ったものです。自分が夢を抱いた原点に返ることができる場である母校を持つことは、本当に素晴らしいことだと感じました。 今は愛する母校の校長として、自分の体験や経験を後輩たちに伝えていきたいと思います。

和食とは。
−−和食伝承師®︎としての道

校長となった今でもお客様に料理を振る舞う場があります。それは、当校で開催しているユネスコ無形文化遺産和食伝承事業「季節料理を楽しむ会」です。
“おふくろの味”という言葉がありますが、家庭で手の込んだ和食を作る機会は減っています。和食の道で生きてきた私には、これまでの知識や技術を伝承していく使命がある。 そう考え、和食伝承師®︎ 庖・上神田梅雄として活動をし続けています。
割烹主従〜季節料理を楽しむ会〜▶︎ 申込はこちら
校長のお品書き・書 ※挿し絵 星野和加奈
<上神田 梅雄 プロフィール>
昭和28年 岩手県普代村に10人兄妹の7番目として生まれる。
昭和50年 新宿調理師専門学校に入学。
卒業後は故西宮利晃氏に師事、12年間・11店舗の厨房で修行を積む。
昭和62年 銀座「懐石料理・阿伽免」の料理長となり、その後25年間・5企業で総料理長として腕を振るう。
平成23年 母校である学校法人新宿学園新宿調理師専門学校学校長に就任、現在に至る。

第四回全日本料理コンクール 現代日本料理部門 農林水産大臣賞受賞。著書に「四季のおもてなし料理」(リープ企画)、 「人生で大切なことは、全て厨房で学んだ」(現代書林)など。
働き方に悩み、迷い、苦しんでいるあなたに贈る一冊
「人生で大切なことは、すべて厨房で学んだ 心を磨く働き方で人生は輝きだす」 上神田梅雄(著)
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調理師専門学校を舞台にした熱き人間ドラマに人生と仕事の本質が詰まっている!!
マンガでわかる 料理を「仕事」にするということ。 上神田梅雄(監修),
桜こずえ(イラスト)